分散エントリーでリスク軽減(リスクヘッジ):FX投資入門
分散エントリーとはエントリー(新規にポジション持つ事)する時間(タイミング)、値段、通貨ペア
を分散させてリスクを軽減させようという売買方法です。
・時間(タイミング)というのはエントリーするタイミングをずらすという事ですが結果的には値段を分散させる事に繋がると思いますが、エントリー後の相場展開を見てからポジション量を調整するという意味合いで時間(タイミング)というものを入れてみました。
次は値段ということですがエントリーする値段を分散させるということです。
下に例を挙げてみました。
下記表は1万ドルを4回に分けて買ったという設定。
スプレット、手数料は一切計算に入れていません。
現在値 | 値段を分散してエントリー | 時価評価損益/円 | 分散なし一回だけのエントリー | |||||
1ドル | 総数 | 買値/円 | 損益分岐点 | 分散有 | 分散無し | 総数 | 買値 | 損益分岐点 |
110 | 1万ドル | 110 | 110.00 | ±0 | ±0 | 4万ドル | 110 | 110.00 |
108 | 2万ドル | 108 | 109.00 | -20000 | -80000 | 〃 | - | 110.00 |
106 | 3万ドル | 106 | 108.00 | -60000 | -160000 | 〃 | - | 110.00 |
105 | 4万ドル | 105 | 107.25 | -90000 | -200000 | 〃 | - | 110.00 |
104 | 4万ドル | 買増し終り | 107.25 | -130000 | -240000 | 〃 | - | 110.00 |
買い値平均 | 107.25 | 110.00 |
・買値を分散させる事(上記の例では買い下がるという事)で損益分岐点は分散無し取引の110円に対して107.25円と有利な買い値になっていることが解ります。
尚且つ、時価評価損益は4回目の買い増し時点で分散無しの-240000に対して-130000と損失も抑えられています。
しかし、110円でエントリー後、上記の例とは逆の値動き(110円以下には下がらない)の場合は分散無しの4万ドル買い持ちに対して、分散ありでは1万ドルしか買っていませんので利益は4分の1になるという事なります。
このようにメリット、デメリットはあるのですが、使い方次第では大変有効な売買方法だと思います。
・上記の分散エントリーを解釈する上で注意してほしい事があります。買い下がるという行為は将来、上昇するだろうという予測から発生する売買方法です。したがって、難平(ナンピン)を推奨しているということではありません。
・通貨を分散させてエントリー
エントリーする通貨ペアを一つに絞るのではなく、いくつかの異なる通貨ペアでエントリーすることで、一つの通貨ペアのみの極端な値動きリスクを軽減(リスクヘッジ)させようというものです。
各通貨ペアは経済情勢、テクニカル要因など様々要因によって値段は変動しています。異なる2つの通貨ペアが全く同じ値動きをするという事はまずありませんが異なる通貨ペアの間に相関関係(一方が変化すると、他方もそれにつれて 変化するという関係。)が存在しているということがあります。
下の図はドル/円、ユーロ/ドルの四時間足・同一時期のラインチャートを重ね合わせたものです。
・青ラインがドル/円、黒ラインがユーロ/ドルです。
?を見てみるとドル/円は上昇、ユーロ/ドルは下降しています。
?はドル/円、ユーロ/ドルともに下降しています。
?はドル/円が上昇、ユーロ/ドルは下降しています。
上記の図から分かる様にドル/円とユーロ/ドルの関係はどちらかが上昇(下降)すれば
片方は下降(上昇)というように反対方向へ動く傾向があることが分かります。
注文の出し方としては、ドル/円買い(ドル/円通貨ペアのドル買い円売り)ならユーロ/ドル買い又はその逆(ドル円売り、ユーロドル売り)をすることで一つの通貨ペアのみの極端な値動きリスクを軽減(リスクヘッジ)させる事が出来ます。
仮に上記の図のA地点でドル/円、ユーロ/ドルともに買い持ちにしB地点で全て決済すると、ドル/円の買いポジションは利益が発生し、ユーロ/ドルの買いポジションには損失が発生するといことになり、(ドル円買い利益-ユーロドル買い損失)=損益 となります。
A地点でドル/円買いポジションのみを建てた場合、ユーロドル買いの損失が無い為こちらの方が利益は大きいですが、反対にドル/円売りポジションのみを建てた場合はユーロ/ドルを
売り持ちしていない為、損失ははるかにこちらの方が大きくなります。リスクを軽減させる分、リターンも減少してしまうということになります。
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